不況の今、フリーライターになる?
「この不況下にフリーランス?」
たとえば、出版業界に縁もゆかりもないあなたの友人が、突然「フリーライタ
ーになる」と言い出したら…普通の方なら、きっと眉をひそめるでしょう。
ただでさえ、数年来の「出版不況」にあえぐ業界です。オマケにこのご時世…。
広告費がガンガンカットされている中、おそらく雑誌もさらに廃刊が相次ぐこ
とでしょう。
活字離れ、出版不況、広告費のカット―
何ひとつ、「今フリーライターになる」理由はないように思えます。
でも…逆に考えれば、チャンスとも言えます。何事もそうですが、多くの人が
「Aだ」と考えているときにはその反対の「B」の道をゆく、「逆張り」という
方法もあるわけですからね。
では、ここで「この不況下であえてフリーになる理由」をヒネリ出してみまし
ょう。
【不況下にフリーになることがチャンスである理由】
●そもそも、こんな不況でフリーになろうという奇特な人が少ない
「逆張り」なわけですから、ある意味当然ですよね。
まったく余裕のない状態で冒険ができる、そんな人は滅多にいません。
お金のある無しもそうですが、家族を養わなくてはいけないとか、それぞれ
が持っている事情もあるでしょう。
しかし、だからこそ「目立つ」んです。
フリーランスとしてやっていくためには、多少なりとも他人より目立つ必要
があります。格好なのか、言動なのか、実績なのか、経歴なのか。
「こんな時期によくフリーになりましたね」なんて言われるだけでも、元が
取れるかもしれない。(あくまで、かもしれないというレベルだが)
●どうせ就職・転職だってうまくいかないなら思い切って…
私の知り合いに、ライターではないがこの時期に独立を決意したという人が
いる。「なんで?」と聞いてみると、
「もともと今の会社は辞めたくてしかたなかった。そこで転職活動をしてい
たがなかなか決まらない。どうせ決まらないんだったら、貯金が残っている
うちに独立してしまえ、と思った」
こんな人もいるんですね。
確かに、今私は就転職関連の媒体を作っていますが、求人に対する応募者の
殺到具合ったら、ここ数年で一番だという情報が入ってきています。
もっとも、飲食や介護など、もともと人手が足りていないところにはあまり
応募は集まっていないようなのですが…(不人気なところは不人気なのかも)。
学生さんの場合でも、いわゆるブラック企業に入るくらいなら浪人のつもり
でバイトしながらライターの道にチャレンジする、という方もいらっしゃい
ます。
●ギャラの額が下がってきている
これ、チャンスか?
と思えるようなことですが、チャンスです。少なくとも、このメルマガを読
んでいるあなたにとっては。
というのも、不況の影響などでギャラが下がると、長年やっているライター
の中には、
「こんな値段ならもうこの仕事はしないよ」
と見切りを付ける人が出てくるのです。割に合わない、というわけでしょう。
となると、値段が下がった分、若手や新人のライターに仕事が降りてくるよ
うになる、というわけです。
もちろん、そんなに単純なわけではありませんが、ギャラの額の高さよりも
経験を積めることを重視するのであれば、今がチャンスということもできる
でしょう。
●Web等、ネット媒体へのシフトが急速に進んでいる
出版不況で雑誌への広告出稿額がどんどん縮小している一方で、伸びている
媒体があります。皆さんご存じの「インターネット」。
ここ数年、特にこの1、2年ほどで、ライターの活躍の場が急速に「紙」か
ら「ネット」に転換しつつあります。
この変化に付いてくることができない、という現役ライターの方もいます。
環境が変化しているときは、新参者にとってはまたとないチャンス。
「紙」で書くことが至上命題という方を除けば、ネット媒体は最高の「新大
陸」になることでしょう。
いかがですか?
これを読んで「チャンスだね!」と思うか、「いやいや、やっぱり厳しいよ。
こんなの後付の理由だろ」と思うかは、あなた次第。
私も無謀な独立はオススメしません。
ある程度、少なくとも2~3カ月は無収入でも暮らせるだけの備えがあるので
あれば、チャレンジするに値すると思いますけれども。
2010/5/21 金曜日 at 5:22 PM
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