タイトルの付け方

 タイトルは、ごく短い文言の中に記事本文のエッセンスを不足なく盛り込んだり、もしくは本文を読ませるために興味を引く言葉を入れたりして作る。
 ニュース記事などは特にそうだが、うまいタイトルなしにいい記事はなかなかできないものだ。

ところが、このタイトルというのが難しい。

「コピーライター」という職の人々がいるが、彼らは短い文言ですべてを表現するプロ。普通の文書きには彼らほどのセンスや能力は問われないが、それでも「長いものをごく短くまとめる」ということには非常な技量が要求される。

 長い文章を書くことは、実はわりと簡単で誰でも訓練次第できちんと書けるようになる。だが、短いほうはというと… ある程度までは努力でどうにかなるのだが、最後の一押しは「言葉のセンス」によるものではないかと思う。

 うまいコピーを書ける、うまいタイトルがつけられるという人は、総じて言葉に対して敏感であり、ギャグや駄洒落も含めた「言葉遊び」がうまい。語彙、つまりボキャブラリーが少ないとうまく短文に物事を集約させることができないのだ。

 同じ文章であっても、そのタイトルのつけ方如何で、受け取り手(読み手)の印象が変わってしまう。たとえば、今話題になっている税の見直し論議で言えば、

「サラリーマン大増税 狙い撃ちされるあなたの家計」

というのと

「国の税体系見直しへ 各種控除措置が廃止の方針」

というのではどちらが読みたくなるかな?
上の方が、取っつきやすくないかい?

 

閑話休題。では、タイトル付けやインパクトのある短文、コピーを作るためにはどの
ような訓練を積めばいいのだろうか。

 一番簡単で、なおかつ面白い方法は、電車の中吊りや新聞広告として掲載されている「雑誌の宣伝」だ。
 週刊文春、アエラ、週刊新潮、週刊ポストなどは特に面白い中吊りを作ることがあるので、電車・バスに乗る向きは一度じっくり眺めてほしい。その中で「これは面白そうな記事だな」とあなたが判断した宣伝文句を拾っていくのだ。

 どこに惹かれたのか?
 どこで面白そうと判断したのか?
 なぜインパクトがあるのか?

 そうしたことを考えていくうちに、おのずとあなたの言葉感覚も磨かれることは間違いない。お試しあれ。

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主催者プロフィール

講師 臼井隆宏
■臼井隆宏(うすい・たかひろ)
1974年埼玉県生まれ。進学塾講師を経て、コンピュータサポート業をスタート。96年末より、儲からない社業とは別に「コネなし、実績なし」からライター業に進出。以後、各誌に寄稿する傍ら、97年からは自社ライター育成にも注力。 05年、ライター講座ドットコムを開設。株式会社ユータック代表取締役。

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