【座談会】昨年の卒業生は、今 ~後編

ライター1年生の座談会。前編はこちら
後篇の今回は、「ライター予備校について」と「ライターとしての今後」がテーマです。

●ライター予備校は、どんな場だった?

竹田:ライターとしての道を歩み始めた我々ですが、今振り返ってみてライター予備校って何だったと思いますか?

水江:ライター予備校に通ってなければ、まずデビューしていないでしょうね。ライターになれたすべてと言っても過言ではないです。

竹田:何を学びました?

水江:たくさんためになることを教わりましたが、一番心に残っているのは「分かりやすさは正義」という言葉です。あの一言をもらってから、読者の目線を気にするようになりました。

竹田:それは今の仕事で役に立っていますか?

水江:受講する前に私が書いていた文章は、一文が長く難解な単語が多かったのですが、短く区切って書く癖、難解な言葉を読者に分かるやさしい単語へ変える癖がつきました。複文をほとんど使わなくなりましたね。あとは、正確性の問題ですかね。調べ物を小まめにするようになりましたし、漢字の用法も少し迷ったら調べるようになりました。

竹田:それは同感ですね。言い換えれば「分かりやすく書く」ということの難しさを理解するようになりましたね。

水江:あとは、他人の文章が気になるようになりました。雑誌の記事を読んでいても、内容よりも文章の粗ばかり気になります(笑)。

竹田:その感覚はよく分かります(笑)。本を読むのが純粋に楽しめなくなりますよね。

櫻井:一種の職業病ですね(笑)

ゲームライターとしての自立を目指す櫻井氏

ゲームライターとしての自立を目指す櫻井氏

●今の仕事はどうみつけた?

櫻井:私にとってライター予備校は、何よりも人生の分岐点。水江さんも言ってましたが、ライター予備校を受講していなかったら、そもそも私は東京に出てきていないです。あとは、同じ志を持った人というか、ライターになろうと考えている人に出会えたのが大きいです。本当に励みになりました。実は、20代の前半に一度東京に出てきてゲームの攻略本を作るプロダクションに入ったんですが、挫折したんです。地元に帰ってからも、それが心に引っかかっていたんですね。そして、以前と比べ格段に行動力が付きました。最近携わったゲームの攻略本も、インターネットで応募したんです。

水江:今の師匠の紹介ではないんですか?

櫻井:違います。求人サイトに出ていたんですよ。小さなプロダクションなんですが、そこにアルバイトをしたいと応募したんです。エントリーフォームの自己PR欄にライター予備校で学んだことを書いて、なおかつ卒業制作で作った冊子をPDFにして送ったんです。そうしたら「文字起こしをしてくれないか」という電話が来たんです。文字起こしを2度ほど受けたら、今度はゲームの攻略本を作るのを手伝ってほしいと依頼されたんですよ。

語学という武器を持つ新人ライター・水江氏

語学という武器を持つ新人ライター・水江氏

●ライターとして、今後の目標は

竹田:ライターとしての今後をどう考えてます?

水江:まずは一人前のライターになることです。まだまだ学ばなければならないことがたくさんありますから。

櫻井:ライターとしてレベルアップをするのは当然なんですが、それ以外にもいろんなことにチャレンジしたいですね。

水江:例えば?

櫻井:ゲームや映画を楽しむための環境を整えるのが好きなんですよ。「気軽に構築できるホームシアター」なんていう話ですね。

竹田:それじゃあ、チャレンジして、それを書けるライターになればいいんじゃないですか?

櫻井:そうなんですよ。興味のあることにどんどんチャレンジすれば、それだけ書けることが増えるんですよ。

竹田:ライターという職業の一番の利点ですよね。好きなことをやって、知識を付ければそれについて書けるようになり、仕事の幅が広がると。

櫻井:そうですよね。ライターの仕事を軸にして活動の幅を広げたいんですよ。外国人の知り合いとかも欲しいし。

竹田:私は最近仕事でギニア人とナイジェリア人と知り合いになりましたよ。

櫻井:いいな。そういう感じで、人の輪や活動領域を広めたいんです。

竹田:私も櫻井さんと同じように考えています。最近知り合ったナイジェリア人というのがバーを経営していて、そこでアフリカの音楽に出会ったんです。音楽が好きなんですけど、アフリカンミュージックについては、何も知らなかった。ところが、そりゃあもうムチャクチャカッコいいんですよ。そこで、アフリカの音楽について調べてみたんですが、ほとんど情報がない。ならば、私が詳しくなって、アフリカンミュージックについて書けるライターになってやろうと思っているんですよ。

(了)

■卒業生プロフィール

●水江哲也(みずえてつや)●ライター予備校3期終了。現在は駆け出しフリーライターとして奮闘中。ライター業へ長い闘病生活からの復帰を賭ける自らを「人生取り戻しライター」と呼んでいる。

●櫻井哲仙(さくらいあきひと)●ライター予備校3期終了。某著名ゲームライターのアシスタントとして修行中。地元群馬からライター予備校に通っていたツワモノ。

●竹田明(たけだあきら)●ライター予備校3期修了。現在株式会社ユータックでアシスタントライターとして修行中。

※本記事は竹田明の構成によるものです。

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主催者プロフィール

講師 臼井隆宏
■臼井隆宏(うすい・たかひろ)
1974年埼玉県生まれ。進学塾講師を経て、コンピュータサポート業をスタート。96年末より、儲からない社業とは別に「コネなし、実績なし」からライター業に進出。以後、各誌に寄稿する傍ら、97年からは自社ライター育成にも注力。 05年、ライター講座ドットコムを開設。株式会社ユータック代表取締役。

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